天家のマグロは、マグロとは呼びません。「トロ」と呼びます。

 

天家は、マグロ屋です。マグロを愛し、マグロにこだわる商いをしています。しかしながら、マグロ専門店と安易に呼ばれたくはない。なぜなら、マグロはマグロでも、「トロ」だけにとことんこだわり抜いているからです。

天家は、マグロのすべては扱わない。

天家は、「トロ専門店」です。

なぜ、「トロ」でなければならないのか?

言うまでもなく、うまいからです。「トロ」には、世界万国人種を超えて、およそ誰の舌をも魅了する圧倒的なうまさがあるからです。この「トロ」があればこそ、マグロは海のダイヤと賞賛され、人々を熱狂させ、高級商材として高値で売買されもするのです。

「トロ」には確かに、万人を引きつける力強い物語があります。

でも、今あるこの物語に、天家はまったく満足していません。「高くてうまいトロ」というのは、いかにも当たり前すぎるから。これからは、「安くてもっとうまいトロ」という次章へと、物語をさらに展開できるのではないか?そこから、天家の挑戦は始まりました。

天家は、マグロ一徹マグロを愛する者たちの専門集団です。使命は、「トロ」をより多くの人に、よりおいしく食べていただくこと。そのためには、天家の「トロ」は、これまでの「トロ」より価格にこなれ、味に優らなければなりません。「同じトロでも天家で食べるトロは、安くてうまい。天下一だ」と評価されるトロを目指し、天家は性根をぐっと入れ込んで、マグロ一本。

強靭なエキスパート集団を目指します。

人は、なぜこうも、「トロ」というものに、熱くなってしまうのか?

上質な「トロ」をもつマグロは、全マグロのわずか3%。

本マグロとミナミマグロに限られています。

しかも、そのうち「トロ」と呼べる部位は、約20%です。

うまさだけでなくこの希少価値が、人々を駆りたてる一つの魅力となっています。